引渡命令と明渡請求訴訟
引渡命令と明渡請求訴訟の関係
平成8年9月1日以降に競売申し立てのあった事件に適用される民事執行法によると、買受人に対して対抗できる占有権原がなければ、引渡命令の申し立てができます。
この引渡命令が出れば、一定の手続きを経て強制執行ができるのです。印紙代(申立手数料)も、相手方1人に対して300円です。
また引渡命令に対する執行抗告についても、平成10年度の改正で、売却許可決定に対する執行抗告と同じく、手続きを遅延させることを目的とするものについては高等裁判所に送らず、地方裁判所で執行抗告を却下することになりました。
それに対して、買受人が所有権を取得したときに、まだ短期賃借権が残っている場合は、期間満了を待って明け渡しを求めることができるのですが、このように一定期間んとはいえ、買受人と占有者との間に賃貸借契約が継承されていた場合は、賃貸借契約終了による明渡し訴訟を提起することになります。
訴訟なので、引渡命令のように300円の印紙代というわけにはいきません。通常訴訟の印紙代と口頭弁論、つまり相手方を呼び出して行う訴訟の形式をとる必要があります。
ですが、占有者が短期賃借権切れであることは、物件明細書・現況調査報告書などの資料で明確ですから、裁判所も迅速な結論を出してくれることが期待できます。買い受けた戸建て住宅の敷地の一部に建物を建てたような場合の建物収去土地明渡訴訟も同様です。