引渡命令の申立手続き
引渡命令
競売不動産を取得しても住んでいる人が出て行ってくれない場合、再び裁判所の手を借りる事になります。裁判所の一連の手続きで占有関係も調査し、引き受けなければいけない賃借権などがあるかどうかも判定したうえで、物件明細書も出しているわけなので、もう少し簡単な解決手続きがあってもよさそうなものです。
そこで、用意されたのが引渡命令という制度です。引渡命令が出たら、この決定書に執行文という強制執行の許可をする旨の奥書をもらったうえで、裁判所執行官に強制執行を依頼します。
簡単にできる手続きなので、申し立てには期間制限があり、買受人が代金を納付した日から6ヶ月以内にしなければいけないことになっています。
平成8年9月1日に改正民事執行法が施行される前に申し立てをした競売については、この簡易な手続きができる相手方が制限されていて本来、買受人に対抗できない抵当権設定後の賃借人に対しても、引渡命令の申し立てではなく、明渡請求訴訟で判決をもらわなければならず、相手方により訴訟の引き延ばしでもされると、解決まで相当の日数がかかりました。
これに対して、平成8年9月1日以降に申し立てのあった競売については、競売の始まる前から占有していても買受人に対抗できる権原がなければ、全て引渡命令の対象になることもあり、引渡命令がもらいやすくなりました。
引渡命令の確定後に占有している相手方の承継があった場合は、買受人は承継執行文の付与という申し立てをして、その承継者に対して執行することができます。この引渡命令の申し立ては、代金の納付手続きが終了すれば、所有権移転の登記手続きが完了する以前でもすることが可能です。