評価書の分析
評価書
不動産鑑定士が裁判所の命を受けて、評価人として競売不動産の評価をしたものが評価書です。裁判所は、これに基づいて最低売却価格を決めます。
評価書がなぜ必要なのかと言えば、買受人同士の談合で不当に低い価格で落札されると、債務者・債権者の利益を損なうからです。評価書の金額が事実上裁判所が決める最低売却価格となり、これを下限として、最も高い価格を提示した人が買受人となります。
なお、一般の不動産鑑定評価で求める価格は原則として、市場性のある不動産について合理的な市場で形成される適正な価格(正常価格)ですが、競売の評価書で求める価格は「不動産が民事執行法による売却に付されることを前提とした適正価格」とされました。
競売不動産には様々な制約やリスクが伴うので、正常価格ではなかなか買い手がつきませんでした。このような実情に配慮して、裁判所も合理的な減価を認めるに至ったものです。
一般的に、裁判所で3点セットを閲覧するとき、現況調査報告書や評価書に添付された建物写真や各部屋の状況、さらには間取り図や地形などは興味があって一生懸命見るでしょう。
ですが、評価書の文章は付近の環境などはあたりは読んでも、評価書で最も重要な評価額算出の過程については、何が書いてあるのかよく分からずに読み飛ばしてしまう方も少なくないと思われます。
ですが、評価書算出の過程を理解することは、その競売不動産を購入するときに貴重な判断材料になるはずです。