物件明細書の分析(3)
任意的な記載事項(2)
●備考欄に「管理費等滞納あり」とある場合
マンションの管理費や修繕積立金については、買受人が引き継ぎます。債務が弁済できなくなったことから始まるのが競売なので、マンションの管理費が滞納されているのは、むしろ原則といっていいでしょう。
●備考欄に「○○○○の賃借権は、期限の経過により買受人に対抗できない。買受人に対抗できる権原を有しない占有者は、引渡命令の対象となる」とある場合
ここでいう賃借権は、抵当権に遅れて設定しても保護される短期賃借権のことです。短期賃借権として保護される権利であっても、その期間が経過したときは、その保護を全うし、またそれ以上の保護を与える必要もないので、買受人に対抗できないことになります。
●備考欄に「○○○○の賃借権は、正常のものとは認めない」とある場合
競売不動産の所有者に金を貸している金融業者で、所有者を強引に説得して短期賃借権の登記を入れ、貸金債権と相殺するかたちで資料は3年間前払い、多額の敷金を入れたことにして債権回収を図ろうとする者がいます。
また、債権者が自ら占有する場合や、必ず契約にある賃貸譲渡ができるという特約条項に従って、第三者に賃貸して、賃料収入で債権回収の一部にしようとするケースが少なくありません。
このような賃借権は、債権回収を目的とする賃借権であり、正常のものとは認めないとするのが裁判所の判断です。