物件明細書の分析
重要な記載事項
物件明細書は、裁判所がその競売不動産について、その明細を書き記したものです。物件明細書に記載されている内容は、不動産登記簿謄本、現況調査報告書、評価書などの資料に基づいて事実を認定して、これに法的評価を加えた結果として裁判所の判断が示されているものです。
また、買い受けようとする方にとっては、宅地建物取引において宅建取引主任者が説明を義務づけられている重要事項説明書のようなものであり、非常に重要です。ここで、物件明細書の中の「必要的記載事項」の欄を説明します。
「不動産に係る権利の取得および仮処分の執行で売却により効力を失わないもの」
競売不動産にどのような権利(買受人から見ると負担)が付着しているかは、買い受けようとする人にとっては最大の関心事です。ここに斜線が引かれているときは、買受人が引き継ぐものはないということです。
抵当権に優先する賃借権があるときは、それを引き継ぐ必要があります。賃借権の契約内容が記載されていて、契約期限が8ヵ月後までになっていたとします。貸すのはそれまでで、期間が満了したら明け渡してもらえるといったような考えは間違いと言えます。
借りている人には当然、借地借家法の適用がありますので、原則として契約期間は更新されます。居住権について相当の補償を支払うことで合意し、明け渡してもらえる自信があればいいのですが、そうでないならこのような競売不動産を好んで買う必要はありません。