不動産の価額と最低売却価額
適正な価額
最低売却価額と適正価額とを関連付けることで最低売却価額の価格としての位置づけがわかり、競売物件に対する経済的な標的が自然と浮かび上がります。
競売不動産は、適正な価額で売却しなければいけないという立法趣旨は明確ですが、ではそのような文章が条文のなかのどこに明記されているのかと言えば、法とその規則のなかには見当たらないようです。
このために、この適正な価額としての最低売却価額の解説は、各種の注釈、概説、解説、研究書のいずれのなかにも明解なものがなく、法の立法趣旨や関係条文などからの帰納的説明に終始しているのみで、その守備範囲に差があることを示唆しているようにも思われます。
適正な価額による最低売却価額のなかの適正な価額とは、民事執行法規則30条7号の「評価額の算出の過程の条項」と、同法60条1項での「執行裁判所は評価人の評価に基づいて最低売却価額を定めなければならない」との条文を受けています。
そして評価人は、なるべく不動産鑑定士であることが望ましいとする取扱いによって関連規定を充足させて、評価の客観的な適正化を図ることによって、密度の高い評価書の作成を保障させ、間接的に最低売却価額の適正化を打ち出しています。
評価上の適正な価額や正常な価格とは何か、また、不動産につけられている価格とは何かという一般的な素朴な問題が浮かび上がります。
不動産の価格には次のようなものがあります。実勢価格、公示価格、基準地価格、路線価などと、限りなくあげられ、一物一価の経済法則は土地価格には適用されない存在となります。
これでは土地の価格は、学問的な範囲のなかに収まらない職人的手法のようなものと考えられる存在となります。だからといって、土地の評価が概観的な評価に止まってはいけないことは言うまでもありません。